講座報告」カテゴリーアーカイブ

連続講座:もう一度学ぼう 別荘地大磯の形成

元気なコミュニティー協議会(ゲンコミ) 生涯学習連続講座
令和5年5月13日(土) 10時~12時 町民センター2Aクラブ室

「もう一度学ぼう 別荘地大磯の形成」
  講師 國見 徹氏(大磯町教育委員会学芸員)

 國見氏は考古学がご専門。発掘調査などから明らかになった情報も織り交ぜて話を進められました。

 大磯が別荘地として発展したのは、当時の陸軍軍医総督であった松本順が大磯の地に海水浴場を開いたことにあります。西洋医学に基づく医療目的のため、支柱に捕まって海水に浸かって治療する、というやり方。宣伝のために歌舞伎役者も呼んでいました。
 当時使用されたレンガや磁器の写真も披露いただきました。

 政財界人が避暑として訪れていた大磯も、東海道線の開通によって駅から歩ける海岸が利用しやすい、と、様々な人々が来るようになり、住む人も増加。松本順は伊藤博文とも交流があり大磯停車場開設が実現したようです。
 別荘としては、三井財閥の城山荘、伊藤博文邸の滄浪閣を主に取り上げながら建造物としての価値や貴重な建材についてなど教えていただきました。

 当時のことを孫世代として教え伝えてもらった情報についてお話下さる参加者もおられ、ゲンコミが情報交換の場にもなっていることが嬉しいです。講師の方募集します。ご紹介ください。

連続講座:施設分離型小中一貫教育校_スタート「にのみや学園」

元気なコミュニティー協議会(ゲンコミ) 生涯学習連続講座
令和5年4月22日(土) 10時~12時 町民センター2Aクラブ室

「施設分離型小中一貫教育校スタート『にのみや学園』」
  講師 森英夫(二宮町教育長)

 令和5年度の最初の講座は、現二宮町教育長である森英夫さんを講師にお迎えし、演題を「施設分離型小中一貫教育校スタート『にのみや学園』として、この4月から義務教育の新しい形態として始まった「にのみや学園」について、その目的や仕組み、経緯や課題などを詳しく解説しました。

 参加者は、子育て中の方々をはじめ幅広い年齢層の町民、教育関係者など35人。

 「二宮学園」設立の目的としては、少子化の中で子どもたちの人と人とのつながりを増やし、9年間の一貫した教育の中で、中学校への進学にともなう不安も解消することなどが挙げられました。

 その仕組みは、現状の施設を使いながらの小中一貫校「にのみや学園」として、二宮小学校と二宮中学校をつなぐ二宮中グループと、一色小学校と山西小学校と二宮西中学校をつなぐ二宮西中学校をつくり、それぞれのグループの中で、またグループ同士の交流が行われるというものです。

 こうした仕組みづくりが実現できたのは、「二宮町では各学校で共通の教育方針を策定することができたから」と森さんは強調。

 参加者からは「当事者である子どもへの視線を常に重視してほしい」「教員の不安を解消どうするのか」といった要望や質問が出され、参加者らの関心の高さがうかがわれました。

連続講座:湘南のさくらを 最高に楽しもう

元気なコミュニティー協議会(ゲンコミ) 生涯学習連続講座
令和5年3月25日(土) 10時~12時 町民センター2Aクラブ室

「湘南のさくらを最高に楽しもう」
  講師 勝山 輝男氏(元県立生命の星・地球博物館 学芸部長)

さくらの種類というのは実に多くあることを知りました。
桜の花が満開になる季節を選んでお話いただいたこの日も、丁度、会場の窓から見える桜はエドヒガンのしだれ桜でした。特にここからの1週間は皆さま、学び直した知識を基にお花見を楽しまれたことと思います。

サクラというのはバラ科。それぞれ馴染みある呼び名は和名であり、学名のラテン語になると学者によって分け方が違うため、実は図鑑によって書いてある属性が変わるらしいです。野生のものは10種類程度。名所に咲くサクラとして各地で知られるソメイヨシノ(染井吉野)は接ぎ木で増殖し、遺伝的に同じため同じ環境化で一斉に開花します。

箱根に多いマメザクラ、渓谷沿いに多いカスミザクラ、丹沢の方にあるチョウジザクラ、ピンポイントで見つけたヒマラヤサクラ。等々、紹介いただいた物は、桜らしからぬ桜もあり、季節も春に限らない。桜も多様性なのです。

ウキウキする楽しい講義となりました。

連続講座:もっと知りたい 相模国総社 六所神社

題目:「もっと知りたい六所神社」
日時:2023年3月12日(土)10:00-12:00
場合:相模國総社 六所神社(大磯町国府本郷935)
講師:柳田 直継 宮司・中山 史奈子 氏(二宮町学芸員)

 相模の國を治めてきた日本古来の神話の神々を祀る六つの神社…寒川神社、川勾神社、比々多神社、前取神社、平塚八幡宮、そして相模國総社六所神社。
 大化の改新以降の中央集権体制の國作りで国府に派遣された国司は、相模の國の有力神社を巡拝していたが、その負担軽減のために6ヵ所の分霊に国府近くの神社に集まってもらう習わしが始まったとのこと。これが県指定無形民俗文化財に指定されている国府祭(こうのまち)として伝わっている。
 柳田宮司に案内され、境内随所の散策と本殿や宝物、歴史遺産の説明を受けました。軽快な口調と神話の浪漫に吸い込まれ、時間を忘れて聞き入ってしまいました。今年は数年振りに相模の神々が集結する国府祭に行ってみようかな…

連続講座:介護サービスの新展開 小規模多機能介護とは

元気なコミュニティー協議会(ゲンコミ) 生涯学習連続講座

令和5年2月25日(土) 10時~12時 町民センター2Aクラブ室

「介護サービスの新展開 小規模多機能介護とは」
    講師 三枝 公一氏(一般社団 いつでもどうぞ代表理事)

二宮の百合が丘に小規模多機能型居宅介護施設が開所されます。小規模多機能居宅介護ってどんなことを大切にしているのかお話を伺いました。

これからも安心して家で暮らしたい、という思いはご本人にとってもご家族にとっても同じ思い。その思いを諦めないでほしい、と。自宅で継続して自分らしく生活することをあきらめないでほしい、と何度も繰り返し話をされました。

住み慣れた自宅や地域の中で家族や親しい人たちとできるだけ長く暮らすために小規模多機能型居宅介護があります。「通い」を中心に「宿泊」「訪問」のサービスを組み合わせて支援をしていきます。地域の中で自宅を中心にお風呂だけあるいは食事だけ利用することもできます。

とにかく在宅生活を支えるオーダーメイドのサービスを提供できるようですが、費用と人材には限りがあるので、支え合いの仕組みづくりも必要。そのためには地域の方が参加する運営推進会議によって、情報交換や情報の共有をしながら事業所が地域のつなぎ役として機能するように考える。介護サービス以外の楽しい企画でもどんどん多くの方に参加してご利用いただきたい、と。

何ができてもできなくても、一人一人の自主性が重んじられ、人の尊厳を守っていこうという姿勢で運営される事業はきっととても温かい居場所になると思います。楽しみですね。

連続講座:絵図・旅日記に見る 江戸時代の二宮

元気なコミュニティー協議会(ゲンコミ) 生涯学習連続講座
令和5年2月11日(土) 10時~12時 町民センター2Aクラブ室

「絵図・旅日記に見る江戸時代の二宮」
        講師 細井 守氏(元藤沢市藤澤浮世絵学芸員)

 江戸時代の二宮。
 江戸中期の観光用地図に示されている梅沢・おし切・等覚院・志本ミ(塩海)などは名所として記されています。
 二宮が誰の領分であったかが示されている図。ケンペル「日本誌」の道中図には、オランダ語でSyoomi(しおみ)・Medsava(うめざわ)と読める言葉が書いてあります。

 梅沢の“まつや本陣”を描いた絵からわかる日常の暮らし。藤巻寺の絵に書かれた「大なる藤有て、堂の四方を廻りて、仰山也とぞ」。
その時代に思いを馳せて重ね合わせながら想像する世界。

 細井講師は、「地域を識る~調べて面白がる」ということをしてみましょう、
面白いとは知っていることを再確認することである、と締めくくられました。

 今回は、調べてみると以外と絵図がある、というお話でしたが、浮世絵にもたくさんのヒントが隠されているとおっしゃいます。浮世絵からも説明いただける日を楽しみにしたいと思います。

連続講座:トラブルにならない相続

元気なコミュニティー協議会(ゲンコミ) 生涯学習連続講座

令和5年1月21日(土) 10時~12時 町民センター2Aクラブ室

トラブルにならない相続」 講師 百田 英一氏(行政書士)

 遺言書は作成しておいた方が良い。というのが結論のようです。
相続について相談する方の財産は、1千万円以下の方が33%、5千万円以下の方が43%。財産は多いより少ないほうがかえって取り合いのトラブルになるケースがある。

また、配偶者が出てくることによってトラブルになることも。相続人の範囲は、配偶者と子や親の直系、兄弟姉妹とその子、に法定相続分が渡るが、相続人の確定や遺産分割協議がすんなり決まらないこともある、という。

遺言書も、公正証書遺言と自筆証書遺言の2つに分かれ、作成される比率はおよそ9対1。自筆証書遺言は法律的に不備な内容となる危険性を補完する制度して、法務局が保管できるようになりました。

“夫婦で築き上げた財産を法の不条理で失わないよう自分達で決めることを決めておきましょう”という温かなアドバイスは、百田講師が多くのことを見てきた実感こもる言葉でした。

連続講座:だまされない消費者になるために

2023年1月14日(土)10:00-12:00
町民センター2Aクラブ室
ゲンコミ生涯学習連続講座「だまされない消費者になるために
(講師:前消費者庁長官・伊藤明子氏)

テンポよく軽快な語り口調で、2時間の講座はあっという間に終わってしまいました。「だ
まされない消費者」+「考える消費者」について、実践的で切実な疑問に答えてくれる講
座でした。

高齢者に多い消費トラブルは架空請求、定期購入系、悪徳サイト、不要なリフォームなど
があり、解約できないトラブルや高額請求につながる事例が増えている。広告費の比率
は、インターネットが紙の新聞を上回ってしまい、信頼度の確認ができない広告が増えて
いる。それを見極める知恵を身につけるコツも教えてくださいました。

当日の講座資料を希望される方は、ゲンコミ事務局までお問い合わせくださいませ。賞
味期限と消費期限の違いは「目からウロコ」でしたよ(^_^)

連続講座:親子で楽しむ 冬の星座

元気なコミュニティー協議会(ゲンコミ) 
生涯学習連続講座
令和4年12月17日(土) 10時~12時 町民センター2Aクラブ室

「親子で楽しむ冬の星座」 講師 澤村 秦彦氏(元平塚市博物館長)

 冬の星座の探し方。
 星座観察のための準備から教えていただきました。ポイントは光るものを目に入れないこと。月でさえジャマになるようです。そうして暗さに目を慣らして5~10分すると星が見えてきます。二宮は観察に向いているそうなので晴れた日はチャンスです。

 この季節に見える星座でまず探しやすいのはオリオン座。オリオンのお腹にあたる三つ星の延長線上にあるアルデバランからおうし座を発見。三つ星のもう一つの延長線上にあるシリウスからは、冬の大三角形。澤村講師は劇のようにお話されるのが上手く、カシオペア座がどうして沈まないのか、物語としてわかりやすく教えていただきました。夏の星座の講座も楽しみです。

 さて、ふたご座流星群が話題になったばかりですが、次の流星群は「しぶんぎ流星群」。一番大きく見えるのは1月4日13時だそうです。観測は難しいかもしれませんが、空を見上げて1年の幸運を願うのはいかがでしょうか。

連続講座:富士山宝永噴火と二宮

2022年12月10日(土)10:00-12:00
町民センター2Aクラブ室
ゲンコミ生涯学習連続講座「富士山宝永噴火と二宮」
(講師:元県立博物館学芸員・古宮雅明氏)

ゲンコミ連続講座…宝永4年11月23日(太陽暦1707年12月16日)午前10時富士山が噴火した。火山灰は富士山の東側に位置する関東南部に降りかかり、遠くは千葉県にも到達した。神奈川県西域に位置する二宮にも被害はおよび、当時の中里村では田畑の作物が壊滅的な被害だった。農民たちは人力で数年の年月をかけて田畑の土を掘り返す方法で一面に降り積もった火山灰を地中深くに入れ換えたと、古宮先生は教えてくださいました。

農民たちが小田原藩に訴えた古文書の記録からは、年貢を納められない苦しみの訴えと、莫大な復旧費用の捻出を拒む藩主や幕府とのやり取りを読み取ることができました。会場に持ち込んでくださった大粒小粒が入り交じった薄い灰色の軽石と濃い茶色の細かい火山灰からも当時の被害の様子を感じとることができました。自助努力で田畑を復旧した中里村の農民たちのおかげで、二宮町の今の繁栄があることを実感することができた講座でした。