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連続講座:公的施設再編の最新動向

元気なコミュニティー協議会(ゲンコミ) 生涯学習連続講座の報告です

令和5年12月02日(土) 10時~12時 町民センター2Aクラブ室

「公的施設再編の動向と今日的課題について」

 ―人口減少時代の持続的可能なまち・地域・住環境の形成を目指してー

    講師:山崎 俊裕(東海大学名誉教授)

 山崎先生には、二宮町の公共施設に関するいくつかの検討委員会委員長を務めていただいてきました。

二宮にお住まいだったこともあり町の特徴もご存じですが、今回は公的施設の最新動向についてご自身の研究論文データ、携わった仕事や国の資料、全国の事例などを合わせながらテーマについて今のあり方をお話いただいた。

大きくは5つ。

1. 日本の人口将来推計と直面する課題。として、人口減少のデータを示し国施策の流れを説明しながら、活気あるまちづくりには「若者」「よそ者」「馬鹿者」の3役の活用が大事であり、「安心して子育てできる場所」「居心地の良い場所」「楽しい場所」の創出が欠かせない、と。

2. 人口減少が及ぼす日本の建築ストック・インフラ整備に関わる問題。として、いくつかの空き家活用事例の紹介と住宅ストックは老朽化対応の課題など。土地利用の考え方については五十嵐敬喜氏の「土地は誰のものか」を紹介された。

3. 都市・まち・地域・住まいの持続可能性。については、豊かな環境とは何か。心地よいだけではなく美しさ・楽しさが必要。ということ。

4. 公共施設再編の動向と今後のあり方。と、⑤公的施設再編の関連研究、整備事例紹介。という最後のところで落としどころが深まっていった。

公的施設として共有空間をどう作るかという概念について。施設利用は複合化されている。建物の中にいても外にいても、相互視認や相互刺激ができて新たに活動を想起したくなる作りが大切である、と。視認性を高めて開かれた空間にするハードを整え、そこにコミュニティの関り、人の流れをいかに作るかということ。

最後に質問を受け付けた中からは、「町のやり方はついクレームが出ないことが先頭に立つ気がするが、コンセプト作りを丁寧にやることが重要だというのがよくわかった。」「悲観的見方でなく価値観や重みづけをする必要あり、その説明には議論の工程を公開でやることは大事だ。」などが挙がった。

豊かな暮らしを作る公的空間のあり方、建築物と人と周辺環境の連動性など、認識の変わる深みある講義でした。

連続講座:地図でたどる二宮の変遷

元気なコミュニティー協議会(ゲンコミ) 生涯学習連続講座
令和5年9月23日(土) 10時~12時 町民センター2Aクラブ室

「地図でたどる 二宮の変遷」
    講師:露木 泰彦氏

 ケーブルテレビの取材も入った中、話は、地球は分裂した土地でできている、というところから始まりました。
 そこまで遡るとは思いもせず、露木氏の情報量は膨大でした。時折、知っている話に安堵するものの、展開がハイペースなため今回は配布された資料7ページの写真でご勘弁いただく。
 最後は宇宙からの観測の話。露木氏のスケール感と深みは、一夜漬けでは学べない。
時間をかけ、ゆるりと伺いたい。

連続講座:吾妻山で探そう 秋の渡り鳥

元気なコミュニティー協議会(ゲンコミ) 生涯学習連続講座
令和5年9月16日(土) 10時~12時 町民センター2Aクラブ室

「吾妻山で探そう 秋の渡り鳥」
    講師:斎木 邦弘 (二宮野鳥の会 顧問)

 講師が30年間毎日のように通った観察記録を元に、4回目となる今回は“秋の渡り鳥”の話。この座学の日はまだ暑い日でしたが、10月7日には吾妻山・葛川で町民探鳥会のフィールドワークも行われる。

 少し秋らしくなってきたので、秋の渡り鳥が見られるかな?楽しみにしたい。
中でも、山鳥を中心とした話でした。5年前には“越冬地”だった吾妻山も、今は“中継地”(春と秋の渡りの時期に寄るところ)として変化しているようです。

 吾妻山で越冬する鳥が減ったのは、冬の山に行く人が増えたり、木を切り歩道整備などで人の手が入ったことも影響しているのではないか、と。そして、吾妻山が中継地になる理由として2点。海岸沿いにある吾妻山が低山で南下ルートの飛行上にあること。ミズキとクマノミズキが多い吾妻山に特にヒタキ科の鳥が寄ること、がある、と。

 吾妻山で観察記録がある鳥は34科92種。講師が通った30年間で確認した秋の渡り鳥は27科60種。
 秋の渡りの主役はヒタキ科だそうですが、ヒタキ科以外にも写真と共に、鳥の見分け方や好む食べ物、食べ方の違いまで、実に根気よく観察されている鳥の世界を教えていただきました。吾妻山の絶好の観察スポットも解説がありました。

 気候変動や人の動きに影響される鳥たち。生き物は地球の中で繋がっている。危機感を覚えた方もおられたかもしれないが、実際にさえずりを聞けば癒される時間がすごせるに違いありません。

連続講座:戦後78年 語り継ぐ戦争体験

元気なコミュニティー協議会(ゲンコミ) 生涯学習連続講座報告
令和5年8月12日(土) 10時~12時
町民センター2Aクラブ室

「戦後78年 語り継ぐ戦争体験」
  講師:藤田氏 吉成氏 善波氏 高木氏 氏家氏
     (戦時下の二宮を記録する会)

 講師メンバーは90歳前後となる方々。昨年「これで最後ですよ」と言われながら今年も語っていただいた。

話の内容は、戦時下に小学生だった二宮の暮らしや疎開先でのお話でした。

戦闘機は2,3日に一度は来るので、今日はB29だ、艦載機だ、グラマンだ、と子どもの予想が当たっていた。

ラジオ放送の情報は遅かった。押切りの塩工場で天秤棒で海水を汲んでいる時に機銃掃射から慌てて逃げた様子。

相模湾上陸に備えて兵隊さんがたくさん来た。住民は兵隊さん達に空き部屋を寝泊まりできるよう貸していた。兵隊さん達が掘った陣地は仕事用のためで、住民が避難する穴は自分たちで掘った。ある日水平線に見た一直線の連合艦隊。卒業証書への思い。

また、父の仕事で京城(現ソウル市)へ転居したのだが、その後巻き込まれた太平洋戦争から5年後に貨物船で日本に引き揚げるまでの事をパワーポイントにまとめて下さる方もいた。

炎に包まれた巨大な建物が陥落する時の美しさ、光る飛行機がキレイだった、など

子ども達の目線はある意味純粋で、残酷なものもそのまま目にしながら後からその意味を知る。

戦時下の二宮を記録する会は、二宮で出会ったメンバーが当時の話を聞き集め洞窟陣地などを探し当てながら6冊の体験集と1冊の写真記録集をまとめている。

中でも“ひとずく 第5号 二宮の洞窟陣地”は、第16回日本自費出版文化省・地域文化部門に入選している。

この先、体験から語られる言葉を直接聞ける機会はそう多くない。

ゲンコミが一色小学校でスタートした講座から今まで続けさせていただけることに感謝をしたい。

連続講座:一燈会の老人福祉施設見学

元気なコミュニティー協議会(ゲンコミ) 生涯学習連続講座
令和5年7月29日(土) 10時~12時 一燈会ザ・プライム(開成町)

「社会福祉法人 一燈会の老人福祉施設見学」
    講師 石川裕一郎施設長ほか

 この回は、百合が丘地区社協部会と合同で開催されました。
今回は開成町にある施設4か所をめぐり、一気に様々なタイプを見て研鑽を重ねる良い機会となりました。

 二宮町を9時に出発し、現地では3グループに分かれて各施設を順番に説明対応いただいた。
①介護付き有料老人ホーム/サービス付き高齢者向け住宅 ザ・プライム
②住宅型有料老人ホーム ザ・プライム開成みなみ
③グループホーム はなの路
④地域密着型介護老人福祉施設 メゾン・開成
の4施設。

③のグループホームは共同生活の温かみが出ていて定員18名、中庭のある建物ではどの部屋からも採光がよい。④の地域密着型も比較的ゆったりと空間をとっているように感じました。
このメゾン・開成は特別養護老人ホームの地域密着型のため、開成町の方がお入りになれる施設です。

①はマンション暮らしの感覚で入居できる施設。立地環境を生かした屋上の足湯や展望風呂があるところもあります。

②は介護と医療と地域が融合した複合施設として、住宅型有料老人ホームのほか、短時間型デイサービスでは自費で受けられるリハビリや個別トレーニングメニュー、病児保育室、訪問看護ステーションと共に24時間365日介護サービス対応もする。

湘南ベルマーレとも提携し、ベルマーレの選手がここで働く時間もあり選手の可能性ややる気を引き出している。
現在建設中の施設もあり、地域は益々住みやすい環境が整えられていくようだ。

連続講座:エリザベス・サンダース・ホーム 澤田美喜女史の ひととなり、仕事

元気なコミュニティー協議会(ゲンコミ) 生涯学習連続講座
令和5年7月22日(土) 10時~12時 澤田美喜記念館(大磯駅前)

「エリザベス・サンダース・ホーム 澤田美喜女史のひととなり、仕事」
    講師:武井 久江氏(語り部の会、あこ代表)

 7月に開催した2回の講座は大盛況で、定員を超えてのお申し込みがありました。
町外に出て現場を見ながらの講座も関心の高い内容であることがうかがえます。

 さて澤田美喜氏ですが、最初に見せて頂いた映画では、澤田美喜がエリザベス・サンダース・ホームを立ち上げる時の決心や心の揺れなどがわかりました。
 澤田美喜生涯において残した3つの業績は、
1.エリザベス・サンダース・ホームの設立
2.ホームの子どもたちが通う学校、聖ステパノ学園の設立
3.隠れキリシタン遺物の収集
だそうです。

 澤田美喜は三菱財閥の3代目総帥、岩崎久彌の6人兄弟の長女として明治34年に誕生。結婚相手は外交官、澤田廉三。
 結婚を機にキリスト教に入信したこと、ロンドン駐在で出会った孤児院ホーム、三菱グループの教えである、名を残すより国や人々のために事業を行う考え方、息子の戦死、叔父が持っていた大磯の別邸、外交官夫人として培った人脈。
などなど、その人生の後半を、戦後の混血孤児救済活動に捧げるためのレールは整っていた、
とも言える豊かであり数奇である運命を背負う澤田美喜さんのお話。

 講師の武井氏は実に細やかに整理された内容を、澤田美喜さんへの愛と温かさを持って
お話された。

 「ママちゃま」と呼ばれ慕われた澤田美喜さんのことが、この夏テレビ放映されるとのこと。
《ぼく達は戦争を知らない 女性たちの戦争》
8月13日(日) テレビ朝日
13時55分~15時20分
案内人:SixTONES 松村北斗

連続講座:親子で楽しむ 夏の星座

元気なコミュニティー協議会(ゲンコミ) 
生涯学習連続講座
令和5年6月24日(土) 10時~12時 町民センター2Aクラブ室

「親子で楽しむ夏の星座」 講師 澤村 秦彦氏(元平塚市博物館長)

 好評だった昨年の「冬の星空」に続いて、今回は夏の星空について講義いただきました。夏の夜空を観察するための入念な準備の方法から解説が始まりました。やみくもに夜空を見上げても星座を見つけにくいので、明るい目立つ星から見つけるコツを教わりました。手を握って拳をつくり、腕を星の方向にピンと伸ばして星と星の距離感をつかむ方法も教えてくださいました。

 東寄りの空に浮かぶ明るい星を結んでできる三角形が「夏の大三角」です。これをきっかけに、はくちょう座、さそり座、おおぐま座、こぐま座をたどっていけば夏を代表する星座たちを観察して楽しむことができます。

 私たちの太陽系がある銀河系を内側から眺めた姿が天の川として見えているようです。二宮町は、市街地としては星空がよく見えるそうです。よ~く目を凝らして眺めると、夏の大三角の中にキラキラときらめく天の川を見ることができるようですよ。

 もう一つの楽しみは流れ星。この夏の見どころは、8月13日頃に最もよく見えるペルセウス座流星群。地球の軌道を横切る塵の帯に地球が突っ込んでいく時、地球と衝突したちりが大気との摩擦で燃えていく様子が、地上からは流れ星として見えるんですって。よく晴れていれば1時間に5、6個は見えるようです。なんともロマンチックな瞬間ですね。みなさんも夏の夜空を見上げてみてはいかがしょう。

連続講座:徳洲会 湘南大磯病院

元気なコミュニティー協議会(ゲンコミ) 生涯学習連続講座
令和5年6月3日(土) 10時~12時 町民センター2Aクラブ室

「徳洲会 湘南大磯病院」
    講師 島田 英雄氏(湘南大磯病院長)

 1984年に開院された東海大大磯病院は、今年3月から「医療法人徳洲会湘南大磯病院」として新たな経営母体に変更し、地域の総合病院として看板を掛け変えた。
県下56市町村の高齢化率ランキングで6番目に入る二宮町。大磯町は8番目。
島田院長は、中郡は高齢化率最前線にあり、状況の先取り対応をする必要がある、と。

 湘南大磯病院の役割として、急性期、回復期、在宅医療の支援等すべてのサイクルに関与して、“急性期機能を持った地域コミュニティーホスピタル”を目指す。ことにある、と話されました。

 他にも、湘南大磯病院で受診できるのはどのような科があるのかなど、島田院長のお話は1時間ほどで、後半は来場者からの質問に丁寧に答えていただきました。
・紹介状は有無に関わらず普通に来てほしいが初診料は変わる。
・シャトルバスは駅じゃない場所の乗降も考えたいが、利用者の声を聞きながら進めたい。
・介護・医療相談室については、2名体制で行っていて二宮や大磯と情報連携している。
・医者は3分の1が東海大から残っているが、それも以前からローテーションしながら診療にあたっている。
・診察カードの番号はそのまま東海大当時のもので中身は引き継げる。
などなど。

 村田町長からも、小児科の対応の幅や日数を増やしてほしいこと、婦人科も長年望んでいることなどが院長に伝えられました。
 島田院長ご自身のお体にもご自愛いただきながら長く医療のお仕事を続けて欲しいと思ったひと時でした。

連続講座:歌って 楽しく すこやかに

元気なコミュニティー協議会(ゲンコミ) 生涯学習連続講座
 令和5年5月13日(土) 14時~16時 百合が丘児童館

「歌って 楽しく すこやかに」 講師 桑田 葉子氏(声楽家)

 ゲンコミ・やまゆり音楽部会で指導をお願いしている桑田氏が講師をされました。
ピアノ伴奏は高寺氏に。
まずはご挨拶に、ということで「浜辺の歌」を聞かせていただく。
いつもながらの美声をプレゼント。最初から心も和みました。

 喉の奥を開けてそのまま声帯を震わせる。笑ってみる。その時にでた音は唯一無二なあなただけの声が出るそうです。
そのための、肩甲骨など肩回りのほぐし方やお腹を使う発声、緊張させる場所と緩める場所を具体的に教えてもらいながら、全員で一緒に体験しつつ学びました。
とても体がほぐれるし、酸素をいっぱい肺にいれればそれだけで体が温まってきます。
3曲を歌い、最後は幸せなら手をたたこうの曲を皆で合わせ、笑顔いっぱいの講座となりました。

 さらにやまゆり合唱団で一緒に楽しんでくださる方が増えればありがたいです。

連続講座:もう一度学ぼう 別荘地大磯の形成

元気なコミュニティー協議会(ゲンコミ) 生涯学習連続講座
令和5年5月13日(土) 10時~12時 町民センター2Aクラブ室

「もう一度学ぼう 別荘地大磯の形成」
  講師 國見 徹氏(大磯町教育委員会学芸員)

 國見氏は考古学がご専門。発掘調査などから明らかになった情報も織り交ぜて話を進められました。

 大磯が別荘地として発展したのは、当時の陸軍軍医総督であった松本順が大磯の地に海水浴場を開いたことにあります。西洋医学に基づく医療目的のため、支柱に捕まって海水に浸かって治療する、というやり方。宣伝のために歌舞伎役者も呼んでいました。
 当時使用されたレンガや磁器の写真も披露いただきました。

 政財界人が避暑として訪れていた大磯も、東海道線の開通によって駅から歩ける海岸が利用しやすい、と、様々な人々が来るようになり、住む人も増加。松本順は伊藤博文とも交流があり大磯停車場開設が実現したようです。
 別荘としては、三井財閥の城山荘、伊藤博文邸の滄浪閣を主に取り上げながら建造物としての価値や貴重な建材についてなど教えていただきました。

 当時のことを孫世代として教え伝えてもらった情報についてお話下さる参加者もおられ、ゲンコミが情報交換の場にもなっていることが嬉しいです。講師の方募集します。ご紹介ください。