講座報告」カテゴリーアーカイブ

連続講座:親子で楽しむ 冬の星座

元気なコミュニティー協議会(ゲンコミ) 
生涯学習連続講座
令和4年12月17日(土) 10時~12時 町民センター2Aクラブ室

「親子で楽しむ冬の星座」 講師 澤村 秦彦氏(元平塚市博物館長)

 冬の星座の探し方。
 星座観察のための準備から教えていただきました。ポイントは光るものを目に入れないこと。月でさえジャマになるようです。そうして暗さに目を慣らして5~10分すると星が見えてきます。二宮は観察に向いているそうなので晴れた日はチャンスです。

 この季節に見える星座でまず探しやすいのはオリオン座。オリオンのお腹にあたる三つ星の延長線上にあるアルデバランからおうし座を発見。三つ星のもう一つの延長線上にあるシリウスからは、冬の大三角形。澤村講師は劇のようにお話されるのが上手く、カシオペア座がどうして沈まないのか、物語としてわかりやすく教えていただきました。夏の星座の講座も楽しみです。

 さて、ふたご座流星群が話題になったばかりですが、次の流星群は「しぶんぎ流星群」。一番大きく見えるのは1月4日13時だそうです。観測は難しいかもしれませんが、空を見上げて1年の幸運を願うのはいかがでしょうか。

連続講座:富士山宝永噴火と二宮

2022年12月10日(土)10:00-12:00
町民センター2Aクラブ室
ゲンコミ生涯学習連続講座「富士山宝永噴火と二宮」
(講師:元県立博物館学芸員・古宮雅明氏)

ゲンコミ連続講座…宝永4年11月23日(太陽暦1707年12月16日)午前10時富士山が噴火した。火山灰は富士山の東側に位置する関東南部に降りかかり、遠くは千葉県にも到達した。神奈川県西域に位置する二宮にも被害はおよび、当時の中里村では田畑の作物が壊滅的な被害だった。農民たちは人力で数年の年月をかけて田畑の土を掘り返す方法で一面に降り積もった火山灰を地中深くに入れ換えたと、古宮先生は教えてくださいました。

農民たちが小田原藩に訴えた古文書の記録からは、年貢を納められない苦しみの訴えと、莫大な復旧費用の捻出を拒む藩主や幕府とのやり取りを読み取ることができました。会場に持ち込んでくださった大粒小粒が入り交じった薄い灰色の軽石と濃い茶色の細かい火山灰からも当時の被害の様子を感じとることができました。自助努力で田畑を復旧した中里村の農民たちのおかげで、二宮町の今の繁栄があることを実感することができた講座でした。

連続講座:『縄文二宮』を知ろう等覚院遺跡の発掘調査

2022年11月27日(土)10:00-12:00
町民センター2Aクラブ室

ゲンコミ生涯学習連続講座「『縄文二宮』を知ろう等覚院遺跡の発掘調査
  (講師:二宮町文化財保護委員・鈴木一男先生)

ゲンコミ連続講座…今回は縄文時代へのロマンをおおいに満喫できた講座でした。

古代縄文時代の痕跡とされる…かも知れない釜野貝塚、山西貝塚、さらには川勾神社付近貝塚の存在をめぐって、昭和初期の貝塚学者が喧々諤々。二宮町にとっては、この等覚院遺跡が貝塚である可能性を残す重要な遺跡であるとのこと。その執念とその想いを受け継ぎ、幻の遺跡の存在を追い求める鈴木先生の熱いこだわりに触れることができました。

遺跡発掘で出土された石器や土器のかけらを会場に持ち込んでいだき、実際に手に触れることで古代へのロマンを手肌で感じることができました。わくわくドキドキ(土器土器)な講座でした^^

連続講座:葛川で出会う鳥

ゲンコミ生涯学習連続講座
2022年11月19日(土)10:00-12:00 町民センター2Aクラブ室

「葛川で出合う野鳥」
  二宮野鳥の会 斎木 邦弘 氏

ゲンコミ連続講座…今回は葛川で出合う野鳥がテーマでした。二宮野鳥の会の斎木先生が30年の長きにわたる観察記録を紹介してくださいました。

斎木先生の観察フィールドは大きく三つ。①葛川上流の中井湿性公園、②吾妻山、葛川沿い、③二宮海岸、中村川下流域であるとのこと。1994年以降、葛川で観察された野鳥は33科85種であった。それらは留鳥、漂鳥、夏鳥、冬鳥、旅鳥、外来種に分類される。しかし、近年は観察される野鳥の数が減ってきたとのこと。2021年10月から11月末までで観察された種別は留鳥25種、冬鳥4種(マガモ、コガモ、ジョウビタキ、ツグミ)、漂鳥ゼロ、旅鳥1種(タシギ)、外来種3種の合計33種であった。これらはその6年前の観察記録よりも5種少ない結果であったことをご紹介くださいました。

野鳥が減った原因は、地球温暖化にともなう気候変動の影響を受けて急速に進む生物多様性の劣化であると斎木先生は考えているとのこと。その影響は、地球規模の大きな問題ではあるものの、その影響は身近に迫る問題でもあるということを教えてくださいました。長年にわたる斎木先生の観察記録は、一羽の野鳥の美しい姿や特徴の紹介にとどまらず、その生態系が変化している様子を的確にとらえ、身近に迫る地球温暖化への課題意識に至る壮大な講義でした。

講演終了後、会場からの質疑応答にも丁寧に回答し、みなさんの関心の高さと斎木先生の熱心さが相まって、満足度の高い講座であったと感じました。受講された方のかなにはご自分で撮影された写真を持参されたかたもいらっしゃって、講演終了後、受講者同心の親睦がおおいに深まるシーンもありました。斎木先生が繰り出す野鳥の写真と語り、そこからあふれ出す地球規模の問題への課題意識に感化され、大いに生涯学習の意義を感じることができた講座でした。

連続講座:二宮町北部 巨木めぐりツアー

ゲンコミ生涯学習連続講座

令和4年11月12日(土) 9時30分から12時 せせらぎ公園入口集合

「二宮町北部巨木めぐりツアー」

 一色小学校区元気なコミュニティ協議会(ゲンコミ)による生涯学習部会の連続講座、11月12日は、屋外を歩いてめぐる「二宮町北部巨木めぐりツアー」でした。講師は、二宮町に長くお住まいで、前文化財保護委員の橘川卓司さんです。

 二宮町内の秋の里山を味わうにはぴったりの陽気の中、約4キロの行程をのんびりと歩きました。

 せせらぎ公園を出発して、台山方面へ登り、ふるさとの家を経由して、浄源寺、天津神社、神明神社から一色コミセンへ下り、二担道の石碑を経て、二宮高校交差点付近で解散しました。

 「巨木」というのは「地上から130㎝の位置で幹の周囲が300㎝以上の樹木をいう」とのことで、今回のコース上にあるケヤキ、クヌギ、タブノキ、ヒヨクヒバなど10本ほどの木をはじめ、「巨木ではありませんが、枝ぶりがいい」「紅葉が見事」(橘川卓司さん)といったの木も含めて見て回りました。

 途中、樹木だけでなく、橘川さんが子どものころの近隣の様子、昔の道、それに今はなくなってしまった神社での行事などの解説も随所でありました。

 歩きながら、顔見知りの方たちと会うこともあり、地元ならではの「発見しながらの、秋の半日里山散歩」となりました。

連続講座:鉄道開業150年 二宮の鉄道物語

ゲンコミ生涯学習連続講座

令和4年10月29日(土) 10時から12時 町民センター2Aクラブ室

「鉄道開業150年 二宮の鉄道物語」

           講師 杉崎 行恭 氏

 一色小学校区元気なコミュニティ協議会(ゲンコミ)による生涯学習部会の連続講座、10月29日は「鉄道開業150年 二宮の鉄道物語」でした。講師は二宮町在住のフォトライター、杉崎行恭さん。

 150年前にわが国で初めて鉄道が開業して以来、神奈川県は常にその最前線であったことから説き起こし、二宮駅の今昔の様子、二宮と秦野を結ぶ軽便鉄道のこと、そして鉄道趣味の楽しさと奥深さを、自由闊達にお話しくださいました。

 杉崎さんは、旅行本や鉄道雑誌にたくさんの写真と文章を掲載しているだけでなく、『駅舎』(発行/みずうみ書房)、『旅鉄 BOOKS 025 木造駅舎紀行 200選』(発行/天夢人)などの著書も多数もっています。

 写真と文筆のプロゆえに、講演の内容は深い知識に裏打ちされていると同時に、ご本人の鉄道好きがあふれ出て、お話しを聞いている方たちは皆さん身を乗り出すようにして「鉄道趣味の世界」「〇〇鉄の世界」を楽しんでいました。

 杉崎さんが鉄道の歴史を調べる中で大事にしていることは、資料が少ない事柄に関しては「地元の人に話しを聞く」ことだそうで、この日も、集まった人たちに何度も「知っている方がいらっしゃいましたら教えてください」と呼び掛けていることが、とても印象的でした。

 参加した方から感想が寄せられましたので、ここに転載します。

「日本の鉄道開業150年目の今年、ゲンコミがワクワクする講演会をやってくれましたね。今や鉄道のことを語らせたら日本でエース級のひとり、杉崎行恭さん。自ら撮った写真も使いながらのお話しを、おもしろく聞かせてもらいました。2時間はあっという間で、近いうちに続きの講演を期待しています。二宮図書館には杉崎さんの本が9冊あり、私はそのうち3冊を自分でも持っていますが、図書館にはもっと彼の著書を置いてもらいたいものです。それはともかく、ゲンコミさんは、この催しをしてくれて本当にありがとうございました」 

連続講座:東京ハイジ ササキワカバさんのお話し会

ゲンコミ生涯学習連続講座

令和4年10月22日(土) 10時~12時 町民センター2Aクラブ室

「東京ハイジ ササキワカバさんのお話し会
   & ふわふわおばけちゃんワークショップ」

           講師 ささきわかばさん

親子参加のワークショップとワカバさんのお話を組み合わせた講座を企画し、いつもとは趣向の違う生涯学習連続講座は大いに盛り上がりました。

ワカバさんは実のお姉様と二人三脚でお仕事をされている。「東京ハイジ」で検索すると実に多くの動画が出てきますが、主にそれら作品を流しながら裏話や想いを伺いました。

オファーは突然舞い込んでくるけど、とある業者依頼の仕事をきっかけにして、自分たちがこうしたい、という事が通る仕事だけを受けよう、となった。構想とキャラクター作りは苦労なく浮かんでくるけど、そこからアニメーションを仕上げる段階に時間を要して大変。など、形にして残す、というのは本当にエネルギーを要する作業です。

二宮町にとっては、ニーノとミーヤでお馴染みのワカバさん。そのきっかけは、地方創生の動画づくりに携わったことからです。二宮の他、青森や長野の動画でも、どれも気持ちが温まってほっこりします。

ワカバさんは青森出身。大変厳しい父親と語り部活動をする母親のもとで育つ中、どうしてもやめられない自分の道があった。だから、どんな環境であっても子ども達は育つ、未来を悲観していない。と、ご自身の経験から力強くメッセージされた。青森での講演会を経て今年4回目の講演。

来場者からは、ワカバさんに支えられている、と涙しながら感想を伝えられた方、更に一緒にやっていきましょうと思いを強くされた方、など改めてこの場で伝えられ、会場はとても温かい空気に包まれていました。ワカバさんの影響力がわかります。

かつての動画イベントで反響のよかったおばけちゃん作りはワカバさんの提案。この日は器用なお姉さまがボディ作りを急遽協力してくださって実現。こちらでも賑わいを見せ、ひとつひとつ個性あるおばけちゃんが出来上がりました。

連続講座:老人ホームの最新事情

元気なコミュニティー協議会(ゲンコミ) 生涯学習連続講座

令和4年9月17日(土) 10時~12時 町民センター

「老人ホームの最新事情」~いざという時のために~

  講師:月岡 祐一 氏

 株式会社ケア・ドウから月岡さんを講師にしてお話いただきました。

 老人ホームは開設されて127年、歴史の始まりは女性限定だった。ということだそうです。

 その後、養老院→養老施設→特別養護老人ホーム・養護老人ホーム・軽費老人ホームという変遷をたどりました。時代とともに長い背景がありますね。

 老人ホーム、と一言でいっても、公的と民間の区分けがあります。公的施設には、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、軽費老人保健施設、ケアハウス、というのがあり、民間施設には、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホーム、シニアマンション、などがあります。

 入居の検討には様々なきっかけと利用目的があるため、種類の検討をしたらパンフレットで確認し、最低でも3件は直接見学することがお薦めとのこと。見学の際は、入居者の表情や食事内容、スタッフの対応を見ておくこともポイントで、金額の安さや高さだけで選ばないことも肝心だ、とアドバイス。コロナ禍ではオンラインによるレクレーションも好評だ、とか、家賃前払いプランについても紹介されました。

 自治体では地域包括支援センターが相談にのりますが、民間でもこういった無料の紹介相談窓口としてケア・ドウさんのようなところもありますね。

連続講座:魅力ある二宮・大磯づくりのキーワードは「ウエルネス」

 19日(月)に猪股篤雄・東海大客員教授の生涯学習講座が開かれ、約40人が熱心に聞き入った。講座名は「魅力ある二宮・大磯への提案」。東海大を中心に検討が進む県西開発構想(KWC)を下敷きに、「ココロにもカラダにも社会にも心地よいウエルネスのエリアづくり」が提示された。まだ大きな概念にとどまっているが、今後地域関係者と協議しながら中身を詰めて行くという。

 この講座は、元気なコミュニティ協議会と一般社団海鈴大磯の共催企画の第1弾。会場のラディアンには、大磯町からも十数人が出席した。両町とも、町長選、町議選などが控えているせいもあってか、両選挙の立候補予定者の姿も目立った。

 講演はKWC構想の輪郭紹介の後、様々な課題を抱える県西地区の魅力、可能性についての検討に及び、「平塚、秦野などを含めた3市3町を特徴あるQOL(生活の質)の高いエリアにすべき」との話があった。会場からは多くの質問があり、「機会を見て続編を期待したい」との声が上がっていた。

 当日の資料「KWC概要書」は少し残っていますので、必要な方はゲンコミまでどうぞ。
ゲンコミ事務局 メール:office@gen-comi.jp 電話:090–5211-6891

連続講座:戦争遺構 二宮の洞窟陣地

元気なコミュニティー協議会(ゲンコミ) 生涯学習連続講座

令和4年8月6日(土) 10時~12時 町民センター

「戦争遺構 二宮の洞窟陣地」

      講師:戦時下の二宮を記録する会

 8月6日は世界で初めて核爆弾投下が起きた日。それは日本でした。8時15分、黙とうされた方も多くおられたと思います。77年後の同日、二宮町でも平和を祈りながら当時の記憶を伝えてくださる「戦時下の二宮を記録する会」の方々から貴重な話を聞く機会を得ました。

 ご都合で来られなかった善波氏を含めて5名のチームワークを生かしてのお話しでした。村田町長も当時のメンバーで参加していた、と報告。

 当時の記憶を書き留めた「ひとしずく」。その第7号最終版にはメンバーの寄稿が載せられている。善波氏の言葉はそこから代読によってメッセージが発せられた。

 続いて吉成氏。小学生の時だった戦時下、農家への勤労奉仕や、空に飛ぶ飛行機が光ってきれいだったこと、空襲警報で押し入れに隠れたこと、平塚に焼夷弾が落ちれば二宮まで明るかったこと、終戦後は修身教科書に墨塗りした時の様子や学校制度も変わったことなど。戦いに巻き込まれる時代に暮らしながらどんなことを感じていたかが伝わるお話しだった。

 藤田氏からは、二宮に築かれた33か所の洞窟陣地から主なものの場所や形、生命の星・地球博物館にも納められた地層が残る陣地についてなど。

 氏家(うじけ)氏からは、8月5日に二宮上空から戦闘機が放った機銃掃射の残した痕について、地図や駅舎に現存する弾痕の写真などが紹介された。最後には17分間の陣地調査動画も。

 「ひとしずく」の記録は後世へと受け継がれる書。204ページに渡る「ひとしずく5号―調査記録」は図鑑としても見ごたえある1冊。残念ながら1千冊刷った5号の在庫はない。二宮町図書館かお持ちの方に借りるなどしてこの記録を目に留めて欲しい。