5月17日、二宮町町民センターで行われたゲンコミ連続講座には、神奈川県立生命の星・地球博物館館長の平田大二さんが登壇した。平田さんは地質学・岩石学の研究者で、演題は「二宮の大地の特徴と自然災害―足元から考える防災・減災」であった。
講座への参加者は60名。定員を超えてからの申し込みに対しては、お断りせざるを得ない状況だった。
講座は、地球の成り立ちから始まり、西湘地域や二宮町の地層について解説に至り、壮大な地質の話しと、まさに足元の話題が行き来することで、とても分かりやすいものだった。
さらに自然現象と自然災害について、あらためてその発生のメカニズムと人間にもたらす影響が説明された。
平田さんがこれらの解説の中で強調していたのは、人間には自然の営みを変えることはできないという、自然に対する謙虚な姿勢であった。そして自然と対峙するには、自然現象を私たちがよく知ることで、被害をより少なくすることが可能だ、ということだった。
自然に対して、むやみに恐れることはなく、もちろん傲慢に対するでもなく、まず身近な自然の様子を考えて策を講じるという、現在の私たちに最も求められていることが納得できた。
参加者からの質問も熱心で、平田さんはそれらの質問にていねいに答えられていた。